230311 ランダム
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* Haruru *

* Haruru *

夏祭り


 + 夏祭り +




季節は早く過ぎて、もう暑い夏がやってきた。

特に私の生活は変わらないけど、やっぱり・・

アイツのことを考えてしまうんだ。

今頃アイツは何をやっているのだろうか。


きっと仕事だ。




今日は町内でやる、一年に一度の大きな夏祭り。

いつものあたしなら、暇があるとバイト探ししてるんだけど、

けど昨日・・・電話で優紀に誘われちゃったんだ。

バイトもお休みだし、たまには良いかな。

お祭りは夕方からだから、もちろん午前中は学校がある。

学園の人たちはこんな庶民の祭りなんて来ないんだろうな。




「牧野!!」

授業が終わった後、廊下を一人で歩いていたら後ろから声をかけられた。

もちろん、誰の声だかすぐわかる。

「何?西門さん、美作さん」

この二人はいつも一緒。

道明寺がNYへ行ってからも、二人はあたしと仲よくしてくれる。

「今日祭りがあんだろ?俺達も行くからな」

「え?!何で知ってんの??」

「っふふ、優紀ちゃんが教えてくれたんだよーん」

「あ・・・そ。って!!西門さん達行くの?!」

「じゃ、6時にいつもの所で集合な!!あと、浴衣だからな」

「うん・・・・・って!!何であたし達もなのよ?!」

あーあ。もう居ないし・・・・・。

西門さん達はもうすでにあたしの目の前から消えていた。

「ったく・・・」



学校の帰り道、ふと我に返って上を見上げた。


道明寺の家だ。


「やだっ、あたしったら何で此処に・・」

そういえば、前にもこんなことあったな。

やっぱり、道明寺に会いたがってるのはあたしの方かも・・・。


「つくしちゃーん!!!!!」

「えっ」

振り向く前に綺麗な手があたしを包む。

「おっ、お姉様!!」

「元気だったかしら??つくしちゃん、会いたかったぁ」

ギュゥっと締め付けられたあたしは失神直前。

「ぐっ、ぐるじ・・」

「あ!!やだ、ごめんねさいね。大丈夫?!つくしちゃんっ」

「ぁ・・・はい。大丈夫です・・・」

変わってないな・・・道明寺の家も、椿お姉さんも。

「つくしちゃん、時間が有るなら寄ってかない?!お茶だすわ」

「あ・・すみません。これから、お祭りの準備とかを」

「え?お祭り?!きゃーっ!!ちょっとつくしちゃん来てちょうだいっ!!」

「はっ?」

また強い力がかかる。ほぼ、椿お姉いさんに引きずられる形で道明寺邸に入った。

豪華なフロアでしばらく待っていると、たくさんの布を抱えた椿お姉さんがやって来た。

「どうしたんですかっ?!その布は」

「ただの布じゃないのよ、つくしちゃんに似合いそうなの持ってきたの」

椿お姉さんが得意げにその布達を広げて見せる。

「ゆ・・・かた??」

「そう!!お祭りと言ったら浴衣でしょ??好きなの持って行って♪」

「えっ?!そんなっ。こんな高そうな浴衣お借りできません!!」

「貸すのじゃないのよ?プレゼントよっ♪」

「じゃ、なおさら頂けません!!」

黙る椿お姉さん、堅い顔をしているあたし。

「つくしちゃんは・・・私の妹みたいなものなの。
 司が居ない間くらいは、私の姉妹でいてほしかったの。
 つくしちゃんみたいな子、今まで居なかったから、私・・」

「お姉様・・・」

「迷惑・・だったわよね??」

「そんな!!お姉様はあたしにとって、とっても大切な存在なんですっ」

「本当に?!」

「はい!!・・・それで・・浴衣貸して下さい」

「もちろんよ♪」



「本当に、ここで着てかなくて良いの??」

「ぁ、はいっ。家で友達が待ってますから」

「そう??じゃ、気をつけて行ってきてね」

「はい!!ありがとうございますっ」

椿お姉さんは良い人なんだけど・・・

色んな意味ですごい元気な人なんだよね。



「つくしー!!凄い似合ってるよ、その浴衣っ」

「あ、ありがとう」

やっぱり高級なだけあって、すごいわ。

「おー!!牧野似合ってんじゃん」

「にっ、西門さん」

「もちろん、優紀ちゃんもだよ?」

「はは(苦笑)」

「牧野、かわいい・・」

「はっ、花沢類っ!!」

花沢類の浴衣姿は初めて見た。

すごい似合ってて、モデルみたいで、かっこいい・・・。

「あれ?美作さんは??」

「あー・・あきらなら途中で見かけた人妻とどっか行っちまった」

ったく、人妻キラーは・・・庶民の人にも手出すわけ??

「で??何でお金持ちのお坊ちゃまが庶民の祭りに来るのよ?」

「ちょうど暇だったし、若い子来るかなー?みたいなwwねっ」

「西門さんっ!!」

「俺は牧野が来るから」

「なっ///そんなこと軽く言わないでよっ・・・ブツブツ・・」

その後4人で色んな屋たいを回った。

途中、たくさんの女の人に囲まれたけど;;


「はーっ、ここらで休むか」

「そうだね」

「俺と優紀ちゃんは飲み物買ってくるよ」

「じゃ、つくしと花沢さんはココで待ってて下さいね」

「う・・・うん」

西門さんと優紀は人ごみの中へ消えていった。

「たまにはこういうのも良いでしょ??お祭り来るの初めて?!」

「幼稚舎の時、一回だけ・・」

「そっかぁ・・・」

「司に会いたい?」

「え??・・・そりゃ、会いたいけど」

「じゃ、何で誘わなかったの??」

「お祭りなんかに誘えないよ!!迷惑だし、しかも仕事で忙しいよ」

「ふーん」

ふーんって・・・花沢類?

「俺は牧野が独り占めできて嬉しいけど、牧野は司とが良いんだ??」

「そっ、そういう意味じゃなくて!!」

「じゃ、どういう意味??」

「なっ・・・」

「牧野可愛い」

花沢類はあたしの顔を見て笑ってる。

あたしは顔が真っ赤だった。

そうやってる間に花沢類はあたしに抱きついてきた。

「ちょっ、花沢類!!」

「ふわふわーっ」

子供みたいに天使の笑顔であたしを包む花沢類は、

すごい無邪気で可愛かった。

だからあたしは何もできずに抱きつかれたまま。


「なーにイチャついてやがんだ!!離れろ!!」

その時、低い声があたしの耳に入った。

道明寺だ。

「なっ、なんであんたがココに居るのよ?!しかもちゃっかり浴衣だし」

「あー西門が電話してきたんだよ。(牧野の浴衣姿が見れるって)」

「そ、そうだったんだ・・」

「んなこたどーでもいい!!類、牧野から離れろっ」

「えー今良いとこなのに」

「うるせー離れろ!!ブッ殺すぞ」

「でも、牧野は司より俺を選んだんだよ??」

「っち、違う!!それは・・」

「牧野てめーっ」


西門さんと優紀は帰ってこないし、

美作さんは人妻とどっか行っちゃうし、

あたしはあたしで修羅場に居るし。


「もう、帰りたい・・」





               



                   Fin







*あとがき*

季節先取り?のつもりの話です。
途中、ありえない話が出てきたり・・・。
あんまり気にしないで読んで下さいねっ!!
そのうち番外編作りたいです。(こんな話でも)























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