夏祭り+ 夏祭り + 季節は早く過ぎて、もう暑い夏がやってきた。 特に私の生活は変わらないけど、やっぱり・・ アイツのことを考えてしまうんだ。 今頃アイツは何をやっているのだろうか。 きっと仕事だ。 今日は町内でやる、一年に一度の大きな夏祭り。 いつものあたしなら、暇があるとバイト探ししてるんだけど、 けど昨日・・・電話で優紀に誘われちゃったんだ。 バイトもお休みだし、たまには良いかな。 お祭りは夕方からだから、もちろん午前中は学校がある。 学園の人たちはこんな庶民の祭りなんて来ないんだろうな。 「牧野!!」 授業が終わった後、廊下を一人で歩いていたら後ろから声をかけられた。 もちろん、誰の声だかすぐわかる。 「何?西門さん、美作さん」 この二人はいつも一緒。 道明寺がNYへ行ってからも、二人はあたしと仲よくしてくれる。 「今日祭りがあんだろ?俺達も行くからな」 「え?!何で知ってんの??」 「っふふ、優紀ちゃんが教えてくれたんだよーん」 「あ・・・そ。って!!西門さん達行くの?!」 「じゃ、6時にいつもの所で集合な!!あと、浴衣だからな」 「うん・・・・・って!!何であたし達もなのよ?!」 あーあ。もう居ないし・・・・・。 西門さん達はもうすでにあたしの目の前から消えていた。 「ったく・・・」 学校の帰り道、ふと我に返って上を見上げた。 道明寺の家だ。 「やだっ、あたしったら何で此処に・・」 そういえば、前にもこんなことあったな。 やっぱり、道明寺に会いたがってるのはあたしの方かも・・・。 「つくしちゃーん!!!!!」 「えっ」 振り向く前に綺麗な手があたしを包む。 「おっ、お姉様!!」 「元気だったかしら??つくしちゃん、会いたかったぁ」 ギュゥっと締め付けられたあたしは失神直前。 「ぐっ、ぐるじ・・」 「あ!!やだ、ごめんねさいね。大丈夫?!つくしちゃんっ」 「ぁ・・・はい。大丈夫です・・・」 変わってないな・・・道明寺の家も、椿お姉さんも。 「つくしちゃん、時間が有るなら寄ってかない?!お茶だすわ」 「あ・・すみません。これから、お祭りの準備とかを」 「え?お祭り?!きゃーっ!!ちょっとつくしちゃん来てちょうだいっ!!」 「はっ?」 また強い力がかかる。ほぼ、椿お姉いさんに引きずられる形で道明寺邸に入った。 豪華なフロアでしばらく待っていると、たくさんの布を抱えた椿お姉さんがやって来た。 「どうしたんですかっ?!その布は」 「ただの布じゃないのよ、つくしちゃんに似合いそうなの持ってきたの」 椿お姉さんが得意げにその布達を広げて見せる。 「ゆ・・・かた??」 「そう!!お祭りと言ったら浴衣でしょ??好きなの持って行って♪」 「えっ?!そんなっ。こんな高そうな浴衣お借りできません!!」 「貸すのじゃないのよ?プレゼントよっ♪」 「じゃ、なおさら頂けません!!」 黙る椿お姉さん、堅い顔をしているあたし。 「つくしちゃんは・・・私の妹みたいなものなの。 司が居ない間くらいは、私の姉妹でいてほしかったの。 つくしちゃんみたいな子、今まで居なかったから、私・・」 「お姉様・・・」 「迷惑・・だったわよね??」 「そんな!!お姉様はあたしにとって、とっても大切な存在なんですっ」 「本当に?!」 「はい!!・・・それで・・浴衣貸して下さい」 「もちろんよ♪」 「本当に、ここで着てかなくて良いの??」 「ぁ、はいっ。家で友達が待ってますから」 「そう??じゃ、気をつけて行ってきてね」 「はい!!ありがとうございますっ」 椿お姉さんは良い人なんだけど・・・ 色んな意味ですごい元気な人なんだよね。 「つくしー!!凄い似合ってるよ、その浴衣っ」 「あ、ありがとう」 やっぱり高級なだけあって、すごいわ。 「おー!!牧野似合ってんじゃん」 「にっ、西門さん」 「もちろん、優紀ちゃんもだよ?」 「はは(苦笑)」 「牧野、かわいい・・」 「はっ、花沢類っ!!」 花沢類の浴衣姿は初めて見た。 すごい似合ってて、モデルみたいで、かっこいい・・・。 「あれ?美作さんは??」 「あー・・あきらなら途中で見かけた人妻とどっか行っちまった」 ったく、人妻キラーは・・・庶民の人にも手出すわけ?? 「で??何でお金持ちのお坊ちゃまが庶民の祭りに来るのよ?」 「ちょうど暇だったし、若い子来るかなー?みたいなwwねっ」 「西門さんっ!!」 「俺は牧野が来るから」 「なっ///そんなこと軽く言わないでよっ・・・ブツブツ・・」 その後4人で色んな屋たいを回った。 途中、たくさんの女の人に囲まれたけど;; 「はーっ、ここらで休むか」 「そうだね」 「俺と優紀ちゃんは飲み物買ってくるよ」 「じゃ、つくしと花沢さんはココで待ってて下さいね」 「う・・・うん」 西門さんと優紀は人ごみの中へ消えていった。 「たまにはこういうのも良いでしょ??お祭り来るの初めて?!」 「幼稚舎の時、一回だけ・・」 「そっかぁ・・・」 「司に会いたい?」 「え??・・・そりゃ、会いたいけど」 「じゃ、何で誘わなかったの??」 「お祭りなんかに誘えないよ!!迷惑だし、しかも仕事で忙しいよ」 「ふーん」 ふーんって・・・花沢類? 「俺は牧野が独り占めできて嬉しいけど、牧野は司とが良いんだ??」 「そっ、そういう意味じゃなくて!!」 「じゃ、どういう意味??」 「なっ・・・」 「牧野可愛い」 花沢類はあたしの顔を見て笑ってる。 あたしは顔が真っ赤だった。 そうやってる間に花沢類はあたしに抱きついてきた。 「ちょっ、花沢類!!」 「ふわふわーっ」 子供みたいに天使の笑顔であたしを包む花沢類は、 すごい無邪気で可愛かった。 だからあたしは何もできずに抱きつかれたまま。 「なーにイチャついてやがんだ!!離れろ!!」 その時、低い声があたしの耳に入った。 道明寺だ。 「なっ、なんであんたがココに居るのよ?!しかもちゃっかり浴衣だし」 「あー西門が電話してきたんだよ。(牧野の浴衣姿が見れるって)」 「そ、そうだったんだ・・」 「んなこたどーでもいい!!類、牧野から離れろっ」 「えー今良いとこなのに」 「うるせー離れろ!!ブッ殺すぞ」 「でも、牧野は司より俺を選んだんだよ??」 「っち、違う!!それは・・」 「牧野てめーっ」 西門さんと優紀は帰ってこないし、 美作さんは人妻とどっか行っちゃうし、 あたしはあたしで修羅場に居るし。 「もう、帰りたい・・」 Fin *あとがき* 季節先取り?のつもりの話です。 途中、ありえない話が出てきたり・・・。 あんまり気にしないで読んで下さいねっ!! そのうち番外編作りたいです。(こんな話でも) ジャンル別一覧
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